蓄電池の年間導入量が100 GWを突破:BNEFの2026年見通しがPCS・蓄電システムメーカーに意味すること
2025年に世界で112 GWの蓄電池が新たに導入され、BloombergNEFは2026年に158 GWを見込んでいます。蓄電池は太陽光や風力よりも速く年間100 GWに到達しました。急成長を支える数字と、コンバータ、蓄電システム、その認証への影響をまとめます。

- 012025年:世界で112 GW / 307 GWhを導入(揚水発電を除く)、2024年比48%増。
- 022026年見通し:158 GW / 459 GWh、41%増。1月時点の123 GW / 360 GWhから上方修正。
- 032025年の導入量のうち中国が54%、米国が16%を占め、オーストラリアは約6倍に拡大しました。
- 04蓄電池は年間10 GWから100 GW超まで約4年で到達。太陽光は約8年、風力は約15年かかりました。
- 05LFPが導入量の90%超を占めますが、定置用蓄電ではナトリウムイオン電池がシェアを伸ばしつつあります。
数字で見る
BloombergNEFの2026年上半期エネルギー貯蔵市場見通しは、蓄電池が「100ギガワット時代」に入ったことを確認しました。
| 2025年 | 2026年(見通し) | |
|---|---|---|
| 導入出力 | 112 GW | 158 GW |
| 導入容量 | 307 GWh | 459 GWh |
| 伸び率 | +48% | +41% |
2026年の見通しは1月時点の123 GW / 360 GWhから引き上げられました。2025年の導入量の約85%は、主に日中のエネルギーシフトを目的とする系統用の大規模案件です。BNEFは2036年までに年間導入量が300 GWを超えると見ています。
各国のデータも同じ方向を示しています。米国は2026年第2四半期に過去最高の20.2 GWh、上半期で30.8 GWhを導入しました(SEIA)。
数字の背景にある三つの変化
蓄電池は太陽光に寄り添って伸びています。 2016年には蓄電池1 MWあたり56 MWの太陽光が新設されていました。2025年はこの比率が6対1となり、BNEFは2026年に4対1を見込んでいます。新設の太陽光に蓄電池が組み込まれることが増え、系統におけるインバータとPCSの役割も変わりつつあります。
中国と米国が主導し、オーストラリアが加速。 2025年の導入量のうち中国が54%、米国が16%を占めました。オーストラリアは家庭用蓄電池と系統用案件に支えられ、約6倍に拡大しました。
電池化学の多様化が始まっています。 リン酸鉄リチウム(LFP)が新規容量の90%超を占めています。規模拡大によるコスト低下に伴い、定置用ではナトリウムイオン電池のシェア拡大が見込まれます。CATLとHyperStrongは2026年4月、3年間で60 GWhのナトリウムイオン電池に関する契約を結びました。6時間以上の長時間蓄電は2026年に4倍の2 GWに増える見通しです。
BNEFは、イラン戦争が蓄電池に与えた直接的な影響はこれまでのところ限定的とみています。燃料価格の上昇は日内の電力価格差を広げて蓄電池の収益を押し上げ得る一方、輸送費や機器コストも上昇しています。
コンバータ・蓄電システムメーカーにとっての意味
- 出力ブロックの大型化。 系統用案件によりPCSの定格はマルチメガワット級に移っており、試験所は定格出力での運転に対応できなければなりません。
- 系統規定は厳しさを増す一方。 欧州は大型蓄電池へのグリッドフォーミング要件に向かっており、ドイツの新しいVDE-AR-N 4105:2026は小規模システムにも周波数、RoCoF、無効電力の新ルールを定めています。
- 安全性のエビデンスが受注を左右。 中国のGB 44240-2024、北米のUL 9540とUL 9540A、国際的にはIEC 62619とIEC 62933-5-2が、案件の技術仕様に日常的に盛り込まれています。
- 新しい電池化学は早めのすり合わせを。 多くの電池安全規格はリチウムイオンを前提に作られています。ナトリウムイオン製品は、試験開始前に適用規格と試験計画を認証機関と合意してください。
TSINGHUは2.5 MWまでの蓄電用コンバータと蓄電システムを、中国・欧州・北米の要件に基づいて試験します。一度の試験で、蓄電池が最も速く成長している市場にまとめて対応できます。
よくある質問
2025年に世界で導入された蓄電池はどれくらいですか?
BloombergNEFによると、揚水発電を除いて112 GW、307 GWhで、2024年より48%増えました。中国が54%、米国が16%を占めています。
2026年にはどれくらい導入される見通しですか?
BNEFの2026年上半期見通しは158 GW、459 GWhで、2025年比41%増。2036年には年間300 GWを超えると見込んでいます。
系統用蓄電池で特に重要な規格は何ですか?
一般に中国のGB 44240-2024、北米のUL 9540とUL 9540A、国際的なIEC 62619とIEC 62933-5-2、さらにコンバータについては接続先の国の系統規定です。


